半人前なりの日常ときどき旅趣味語り

ほんのり鉄分を含んだ、過去の旅の思い出を

2014.7.30_日本一のモグラ駅_上越線、ほくほく線、飯山線…

こんにちは、鐵猫です!

今回から5回にかけて、2014年夏に行ったひとり旅について語りたいと思います。

そして今回は、2014年7月30日に旅をした、日本一のモグラ駅と呼ばれる「土合(どあい)駅」や、その周辺の路線について書き綴っていきます。

 

この日は、このような行程で旅をしました。⇒は18きっぷを使用していない区間です。

大宮→高崎→水上→土合→六日町⇒十日町越後川口→越後湯沢→水上→高崎→上尾

 

実はこの旅、本来は昨年に行くはずだったのですが、昨年夏に体調を崩した影響で行けなくなり、この年に行くことになりました。

この年とそれ以降は元気に旅をできているので、もう心配しなくて大丈夫です!

 

それでは出発進行!

 

大宮~高崎~土合 穏やかな光景

この日は約1年振りに、朝4時に起床しました。冬や春の18きっぷシーズンに旅が出来ず、ひとり旅もまた約1年振りだったためか、やけに張り切っていた記憶があります(笑)

 

下の写真は5時17分の大宮駅の様子です。

2021年の現在となっては、このくらいの人の少なさはそう珍しくないかも知れませんが、過密とも言えるほどに人がたくさんいる大宮駅のイメージを強く持っている自分にとっては、驚きたくなる人の少なさでした。。

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大宮駅からはまず、高崎線高崎駅まで行きました。

高崎駅両毛線ホームに行くと、車掌さんがホームに立つ子どもに向かって手を振る光景がありました。こうした場面に遭遇すると、不思議と穏やかな気持ちになれます。

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高崎駅からは上越線の水上行きに乗り換え。高崎線はこの旅をする前に既に全線乗車が済んでいましたが、ここから先は未知の世界で、何気ない景色にさえも非日常感を感じられてワクワクが止まりませんでした。

自分にとっては、みんなの間で「絶景」と言われる場所でなくても、お腹いっぱいになれるのです(笑)

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その後、水上駅で長岡行きに乗り換えました。湘南色115系から二次新潟色(通称:キムワイプ)の115系にバトンタッチ!

景色もガラリと変わって、しばらくの間トンネルの区間が中心になります。

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タイトルやこの記事の冒頭で言う「モグラ駅」としては、土合駅が有名とされていますが、水上駅土合駅の間にある湯檜曽(ゆびそ)駅もまた、土合駅と同様に下りホームがトンネル内にある駅で、それなりにモグラ感があるそうです。

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また、湯檜曽土合駅間の上り線には、日本の3大ループ線のひとつとされている「湯檜曽ループ線」が、土樽~越後中里駅間の上り線には「松川ループ線」があり、上り方面を通る際にはこれらのループ線が通過点となります。

なお、これらのループ線は旅の終盤で通ります! 

 

 

土合駅 486段の階段

8時33分、目的の土合駅に着きました!

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降りた瞬間、冷や~っとしてきたなぁ…と思う内に、下車した乗客たちがどんどんと上に昇っていって…さようなら……

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早々階段を昇っていった彼ら彼女らの服装を見る限り、どうやら登山客のようでした。1日の乗降客数が20人程度と言われている内の多くが登山客、という話は本当だったとは…

毎日の通勤では絶対昇りたくないですが、登山のウォーミングアップには丁度良いかも知れませんね。

(余談ですが、階段の写真を見て「左側にエスカレーター設置すれば?」と思った人、鋭い!かつては設置しようとしていたそうですが、諸々の事情で設置しない方向になったと聞いたことがあります。)

 

そして自分はと言うと、数分間感慨に浸っている内に、下りホームに取り残された最後の3人の内のひとりになっていました。もちろん(?)、一緒に取り残された人たちも鉄ちゃんらしき人でしたよ(笑)

 

 

下りホーム鑑賞に満足したところで、自分も階段を昇り始めました。

自分、運動部歴ゼロで体育の成績も2がデフォルトだったほどに体力自慢とは程遠いですが、折角この駅に来たからには昇っておこう!と思ったので。。

(でも、体力的にしんどそうな場合は無理に階段を昇り降りしなくても良いと考える派です。念のため。)

 

階段は5段ごとに踊り場があり、265段目には親切なことにベンチが設置されていました。ここでひとやすみ…

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その後は少しずつ、休み休み昇ることにしました。

手すりも活用していましたが、ある時に手すりを掴んだら、その瞬間「ムニョッ…」とした感触が。。

 

何に触れていたのか確認したら、、、手すりにクモがくっついていました!!

幸いにも、かぶれる等の問題は特に起きませんでしたが、手すりに掴まる時は死角の部分まで確認した上で掴もうと反省(笑)

この土合駅には、クモの他にも蛾やバッタなどの虫がたくさん棲みついているので、虫が苦手な方はお気をつけくださいませ。。。

 

 

そして、下りホームから約9分で、ひとまず462段を昇りきりました!

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ここの通路には、疲れを癒してくれるベンチと、湯桧曽川が見える窓があります。

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なお、土合駅の上りホームと下りホームの間の階段の段数について、何故か462段と答える人が時々いるみたいです。

確かに、あの長い階段だけ見れば462段で合っているのですが、、

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「これで終わりだと思った?残念!あと24段でした!」

そう、実際は462段プラス24段…つまり、合計で486段です。

がんばって下さい」の1字1字の上に点を付けてある所が可愛いですね(え

 

 

…ということで、長い通路を抜けつつ、あと24段も昇りきりました。

 

出口を指す看板に沿って進むと、旧改札が見えてきました。

薄汚れた壁と、傾斜のついた天井が「絵になる雰囲気」を醸し出している気がします。

この辺で天井からクモが自分の頭をめがけて下がって来たのはナイショ

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駅舎内の大体どこを見ても「また遠くに来てしまった」という感覚がありましたが、乗り場案内に書かれた上り側の方面の中に「大宮」の文字を発見!

定期運用で大宮まで行き来する列車が無いのはさて置いて、大宮の2字を見るなり、非日常感と安心感を併せ持つ近場の旅も積極的に行いたいと改めて思いました。

(そのうち上野以南の駅名も書き加えられたりして…)

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次の列車が来るまでまだ時間があったので、上りホームに行ってみたり、改札外に出たり等してみました。

多くの人の力や苦難が結集してこの駅があると考えると、感慨深いだけでなく、「この駅を大切にしたい」という気持ちになれます。

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土合~六日町~十日町 トンネルを抜けると…広大な田んぼ!

土合駅の駅舎探検をひとしきり楽しんだ後は、486段の階段を降りて下りホームに戻り、9時56分に越後湯沢行きの列車に乗りました。

三次新潟色(通称:JKワイパー)の115系に乗って、新潟県に入ります!

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上越線新潟県に入る…といえば、川端康成氏の小説「雪国」の冒頭のシーンを連想する方もいるかも知れませんが、実はこのシーンは厳密にはもう再現できなくなっているんです。

というのは、車両が何であったのか以前に通っている線路が異なり、小説の当時は上越線が単線で、現在の上り線、つまりループ線がある新潟県から群馬県に向かう側を上下線が行き来していたからです。

また、小説で言う「トンネル」は清水トンネルを指していますが、現在の下り線で、新潟県方面に向かうループ線が無い側は、複線化に伴って新設された清水トンネルで、トンネルの名称も異なります。

で、再現はというと、既に複線化されているのを単線に見せかけるのは難しい、信号設備などの大人の事情も絡んでくる、といった諸々を考えると…完全に近い再現は不可能でしょう。。

 

 

越後中里駅の少し手前からは外の景色が中心になり、次第に広大な田んぼの景色も楽しめるようになり、「魚沼産コシヒカリ」で知られる魚沼も、上越線でもう少し進んだ先にあります。

越後中里~岩原スキー場前駅間では田んぼの景色と迫力あるカーブを一緒に楽しめました。弧を描くように立ち並んだ架線柱も印象深かったです。ここもしかして、撮り鉄ちゃんの撮影スポットになっている?と思ったら案の定でした…

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10時21分頃に越後湯沢駅に到着後、少しだけ時間があったので駅構内を散策しました。

こちらは、後で六日町駅から乗ることになる「ほくほく線」の乗り場です。0番線もある駅だったことに驚き…!

何気なく歩き回っている中で、こうした発見があると嬉しくなります♪

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その後、再び列車に乗って、六日町駅で下車しました。

ホームには風鈴が飾られていて、微かに涼しさを感じられたと同時に、駅構内で風鈴を飾るという粋な計らいに心が温まりました。

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六日町駅からは、北越急行ほくほく線の快速に乗り換えますが、JR線ではなく18きっぷの特例も設定されていないので、前もって乗車券を買っておきました(当時、六日町~十日町駅間は片道300円でした)。

そのおかげで、発車前の乗務員による検札もお咎めなしで済みましたが、残念なことに乗車券を買い忘れていた18きっぱーが数人いました…。改札で隔てられていないと、こういう事も起きるんだなぁと遠い目。。。

ちなみに、ほくほく線の駅名看板は、開業10周年の記念に片岡鶴太郎さんが書いた字を使用しているそうです。丁寧なことに「駅」の字まで1駅ごとに形が異なります!

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新潟県が初めてなら、新潟県内のみを通るほくほく線も初めてでした。

乗り心地はというと、かなりのスピード感と力強さがあった印象で、実際に速度計が110km/hを指していました。この速さ、さすが北越「急行」と名がつくだけありますね(種別は快速でしたけど)。

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十日町越後川口~上尾 偶然の素敵な出会い

11時15分に十日町駅に到着後、早めの昼食ついでに駅を出ると、駅前通りに様々な形の石彫が飾られていました。

中には、題名に「電車ごっこ」が含まれる石彫もあって、思わずニンマリ…

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ちなみに、昼食は迷った末に駅そば屋のうどんにしました。美味しかったです!

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その後、飯山線ホームに降りると、越乃Shu*Kura仕様のキハ40系が停車していました!

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時刻表で計画を立てていた時にはこの列車の運用について特に見かけなかったため「なぜここに?」と思いましたが、どうやら試運転だったようです。

この列車は特急でなく快速で、指定席ではあってもグリーン車ではないので、JR線のみの乗車であれば18きっぷで乗れなくもないのですが、今回は試運転だったため諦めました(笑)

 

越乃Shu*Kuraにもいつか乗ってみたい!と思いつつ、越後川口行きのキハ110系に乗りました。

実は、気動車に乗るのは約1年振りで、2013年8月31日に水郡線で乗って以来でした。気動車は、床下から伝わる音や振動だけで不思議と旅をしている気持ちにさせてくれます。

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十日町越後川口駅の5駅の間に、気に入った景色をいくつか見つけたので、写真と共に紹介します。

 

ここは確か、魚沼中条~下条駅間だった記憶があります。

一面全体でなく、このように緩やかな坂道沿いに段になって広がる田んぼも素敵だと思いました。

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こちらは、越後岩沢駅にひっそりと残っている旧ホームです。

緑の中に赤白黄色や紫色といった花々が混在していて、ノスタルジックな中に可愛らしさや優しさも感じられました。

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この川は魚野川という名前で、名前に「魚」が付いているにふさわしい清流で、アユやイワナ、ヤマメなど釣りの名所として釣り人たちに親しまれているそうです。

写真では分かりにくい…というか見えないかも知れませんが、この川を見ていた時に魚が泳いでいるような様子も見えました。

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終点の越後川口駅で下車後は、上越線の越後湯沢行きに乗り換えました。

その列車の途中で通った、只見線と接続する小出駅では、キハ40系とこんにちは。

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そして、越後湯沢駅で下車して改札外へ。ここでは土産屋さんが軒を連ねていて、次の列車の発車時刻までの約1時間の間、のんびりと買い物を楽しみました♪ 

 

 

その後は再び上越線で、水上行きの列車に乗車しました。

越後中里駅に到着する直前で、線路から離れた場所に旧型客車が並んでいる様子が見えました。

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何故こんな所に!?と思って調べたところ、ここは湯沢中里スキー場という所で、旧型客車たちをこのスキー場の休憩所として活躍させているそうです。

撮影当時はオフシーズンだったので閑散としていても、冬は賑わいを見せるとのことです…!

本当だ、よく見ると「無料休憩所」と書かれていますね!

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また、この列車では、松川、湯檜曽の2つのループ線を通りました!

いや~、緩やかながらも激しく坂を曲がっている感覚があり、岩原のカーブと合わせたらもう迫力十二分でした!!

 

湯檜曽駅の上りホームに停車中には、土合駅から通ってきた湯檜曽ループ線の一部がチラッと見えました。

ついさっき通ってきた道が目の前に見える、というのも何だか興味深く思えます。

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水上駅から先は往路と同じ線路を通って戻り、この日は私用の都合により上尾駅での下車をもって旅を終えました。

ちなみに、高崎線ではグリーン車に乗ってみました!広々と座れて快適でした♪

(※18きっぷでも、グリーン車の自由席であれば乗車できます。もっとも、快速を含めた普通列車限定ですけどね)

 

この旅の最後に撮った、復路の水上駅で撮った写真を貼っておきます。

撮影直後、撮影に使っていたスマホの充電が切れましたとさ。めでたしめでたし

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旅を終えて

約1年振りの旅で、旅で心得るべき感覚を若干忘れかけている部分もあるのでは?と不安もありましたが、終始行程通りに、トラブルに見舞われることなく旅を終えられて良かったです。

改めて、旅は自分を元気にさせてくれると思いました。

 

あと、鉄ちゃんとしてあちこち旅を楽しむなら、ある程度の虫耐性も必要かも知れない…と思いました。

写真には収めていませんでしたが、とある駅で、触角を横に広げた長さが15cmほどあるカミキリムシのような虫も見かけてしまったので。。。。

鉄道趣味と虫耐性…意外な分野で意外な耐性が試されるのもまた、面白いものだと思いました(笑)

 

 

乗車した列車の車両番号

クハE230-8002(大宮~高崎)
クハ115-1138(高崎~水上)
クモハ115-1531(水上~土合)
クモハ115-1062(土合~六日町)
HK100-10(六日町~十日町
キハ110-236(十日町越後川口
クハ115-1089(越後川口~越後湯沢)
クモハ115-1062(越後湯沢~水上)
クハ115-1031(水上~高崎)
サロE230-1054(高崎~上尾)

総移動キロ数:433.1km
(内、18きっぷ使用区間417.2km)

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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